フルタ製菓株式会社 ボツ案 

オンエア中のTVCMについてダラダラと書くにゃ

だいたいのイベントは誰かの陰謀






イベントが、大好きです。


最近ではハロウィンの日にゾンビになったお姉さんとかが血だらけのシャツで電車に乗ってきて、お酒の匂いをプンプンとふりまきながら隣のおじさまの肩に寄りかかってみたり、たまにウェーッとかまじゾンビっぽい仕上がりになったりしてるのも、なんか面白い国になってきたなーって感慨深くて、大好きです。

クリスマスが近づいてくると意味もなくレットイットスノウな気分になりますけど大阪はあんまし雪はふらん、ふらんけど営業中に街の色んな飾り見るのが好きで、そりゃまあ大きな商業ビルの立派なツリーも素敵ですし、おうちの玄関周りだけささやかに年季の入ったトナカイとかサンタか泥棒かよくわからぬ何かを飾り付けているのが夜になるとチカチカキラキラとかわいく光るのが、この家の人たちはひょっとすると今晩めちゃめちゃ家族でケンカしたりしているのかもしれぬが、そんなことも人と人が寄り添って生きている暖かさの中の1つのアウトプットなのだろうなーって味わい深くて、大好きです。


イベントなんかなくなっちゃえって思う時、もちろんあります。


自分がすげー余裕なくってもう死にそうな時に、隣でカポーが楽しそうにじゃれあってたり、謎の集団がこっちのテンションなど全く無視するかのように突然フラッシュモブ的な何かをしはじめると、もう悲しみとか怒りとかを通り越して、何この展開、ひょとしては今日はオレ以外の全員が幸せになるっていう逆イベントかよってむしろ納得してしまいそうになる。

オレ以外全員いなくなっちゃえっていうだけならまだしも、オレだけいなくなっちゃえ感が止まらない瞬間があって、そんな時は落ち着いて、どうか落ち着いて、おいしいセコイヤチョコレート、おいしいセコイヤチョコレート、おいしいセコイヤチョコレートって3回唱えれば今自分がやるべきことは最寄のコンビニなりスーパーなりお菓子屋さんでナニをアレすることだと気づくはずです。


あのね。


結局、世の中のイベントの多くはお菓子屋さんなり、おもちゃ屋さんなり、うなぎ屋さんの陰謀なんだと、まあ僕だってお母さんからそう言い聞かされて育ってきましたね、だからうちにはサンタさんは来ないのよって聞かされた時に僕よりもずっと小さかった弟のショックがどれくらいのものだったのかは、正直今さら聞きにくい。

それじゃいつまでもサンタさんがお越しになっているご家庭ってのはみんな各社の陰謀を下支えするべき何らかの理由があるのかというと、それまあ読み物としては面白いかもしれないけどたぶんそうじゃない。


たぶんね。


イベントというものは、普段の色んな関係性が一時的にゲシュタルトなにがしになる、まあまあ貴重な瞬間なんだな。

その日だけは部長がヒヨコの着ぐるみをかぶって新地のお姉さんとレットイットスノウを歌っていてもいいわけで、できれば世の中というのは普段自分が思った通りの姿のままでいてほしいと願う人にはもう目も当てられない光景かもしれないけど、僕は比較的そういうのをウキウキした気分で眺めていたかったりするんです。


足りないんだと思う。


年に数回程度のイベントじゃあ、人間の心なんかすぐに平常運転に戻っちゃうのでまだそういう光景っていうのが気持ち悪ッッてなっちゃう。

もっと色んなイベントが増えていって、あれ今日って例の日だっけ、いやどうだったかな、まあいいやヒヨコ着ちゃえって、思いっきり何にもない日にヒヨコ出勤しちゃって、やっべーって思ったのは部長自身だけで、周りはあらら部長今日はその日じゃないですよ、もうそそっかしいんだから~、でもそんな部長ってちょっとかわいいかも、部長がお父さんだったらよかったのに、オレが?そんなバカな、てへぺろっていう毎日が来るといいんだと思います。

イベントが起こるたびに、これまでとは違った部分と部分が触れ合って、つながりにくかった場所へも飛んでいくことができて、あなたと私が思っていたよりも似ていることや、違っていることや、実はお互いに好意を持っていたことが、少しずつ明らかになっていって。

そしてまたクソつまんねー日常が戻ってきたとしても、またいつかあなたとは巡り合える気するからちょっとくらいは気合い入れて頑張ってみるかと自分のペースで歩き始める。


その程度にはイベントは増えていいのになと思うのであります。



まあそうなるにはちょっとだけ時間がかかる可能性があるので、それまでは間違ってヒヨコ出勤しちゃった方は、大人のほろにがさがたまらない生クリームチョコプレミアムをお召し上がりになって、少々お待ちくださいね。



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