このたびは私たちのボツ案のために
貴重な時間をいただき
本当にありがとうございます。
本日のテーマは、企画をする時に
よく議論になる「二匹目のドジョウ」
の問題であります。
あるいは「目黒のサンマ」問題とも言えましょう。
なんなら「西麻布のミツマタヤリウオ」問題でもかまいません。
すなわち、
という、せめぎあいであります。
もともとアイデアというものは
既存物の組み合わせでしかないと
古典的には言われています。
しかしその組み合わせも
無限に近く存在するゆえに
どれだけ方法論を検証して
精緻化・システム化したとしても
良いアイデアが生まれる確率の
偶然性への依存は避けられないかと
存じます。
その結果、テレビコマーシャルの企画を
毎年、毎年、行っても
今年こそは何も良い案が出てこないかもしれない、
という形容しがたい不安から
逃れることはできないのであります。
ゆえに、このような「ひらめき依存型」の
企画方法を蛮行とみなし
「ボツ案の増大がもたらすモチベーションの低下という
負のスパイラルによる被害を最小化するために、
過去にある程度は評価されたアイデアを
ベースに拡張していくべきではないか」
という一派が存在することは否めません。
さて、本日公開するボツ案は
このような考え方を基本として
生まれたものであります。
タイトルは「company」です。
たしかに、昨年放送したテレビコマーシャルは
フルタ製菓の社歌を使用したことで
たくさんの、ありがたい反響をいただきました。
そういう意味において
この企画は、大スベリするリスクも低く
実にさわやかなテレビコマーシャルに
なるであろうことは予想されました。
しかし、
「セコイヤチョコレートは今年は36周年だ」
「セコイヤはこんなに大きくない」
「どちらかというとポケットサイズだ」
という重大な欠陥が見つかったため
断腸の思いでボツにした次第であります。
最後に、ご参考までに
ミツマタヤリウオの想像図を
掲載させていただきます。
皆様の幸せを心から祈っております。
フルタ製菓株式会社 一同