フルタ製菓株式会社 ボツ案 

オンエア中のTVCMについてダラダラと書くにゃ

東京よ、よろしく頼ム







やい東京。




今度、お前んとこにオレの先輩が転勤することになった。



ちゃんとうまいメシと酒を用意しておけよ。

もつ焼きも忘れんな。

あとキレイな夜景も忘れんな。

別に空気キレイじゃなくていいけど、ただ歩いているだけでウキウキワクワクしてくる感じは必要だぞ。

それから先輩は大阪から行く割にはあんまり口達者なほうじゃないから、ちゃんとたくさんおしゃべりしてくれる友達とかあとお姉さんとかと、すげー自然なタイミングで出会えるように、入念に準備しておいてくれ。



やい東京。



てめえ、あんまり調子に乗って、必要以上に通勤電車を混雑させたりしたら承知しないぞ。

あと先輩は英語とかあんまり得意じゃないんだから、観光に来てる外国人にやたらめったら話しかけさせるなよ。

だいたい先輩は日本語自体もあんまり得意じゃないんだから、とにかく知らないやつになるべく話しかけさせないようにしてくれ。

あと先輩はあんまり地理にも詳しいほうじゃないから、タクシーに乗りこんだ時には、ゆめゆめ運転手さんには「皇居は右回りで行きますか~?それとも左回りで行きますか~?」とか細かいルート選択を迫らせるなよ、だいたいどっちから行ったほういいのかくらい乗客にコミットとかしなくていいから、とにかく急いでくれたらいいんだってば。



やい東京。



一体お前んとこにどんな魅力があるのか知らないけど、あんまりオレの大事な仲間ばっかり連れていってくれるな。

この国がお前んとこだけで回ってると勘違いすんな、いやだいぶ回ってるのかもしれないけどさ。

いやオレだって知ってるさ、お前んとこがどれだけウキウキワクワクできるところなのかってことくらい。

だけど、その楽しそうな空気にどんどんみんな吸い寄せられちゃったら、オレはさみしいんだ、それを一体どうしてくれるってんだ。


だからオレはこれからも何度もお前んとこに行ってやる。

勘違いすんな、遊びじゃないからな、これは監査だ。

もつ焼きをほおばりながら、先輩がちゃんとそっちで楽しめているかをチェックしてやる。



やい東京。



調子に乗んな、このドリームシティめ。

義理チョコのお返しに困っている人に伝えたいこと






あらもうそこのあなた、あなた、あなた。


あーん、もう知ってます、知ってます、あなたすげー困ってるでしょ、困ってる、うん、そんなのすぐにわっかるよーその浮かない顔見れば、ほんと男前が台無しじゃんー。

もうね、こっちはいつもあなたのことばっかり考えて暮らしてるんだから、わかる、わかるってば、もー早く言ってよねー。


お兄さん、アレでしょ、ホワイトデーに何を返したらいいのかわからないんでしょ、知ってる、知ってる。

仕方ないわねー、そんなウブだけどかわいい男のためなら、アタシが一肌脱いだげてもいいのよー、誰がおっさんだ、てめえデスクにカードキー置きっぱなしにしたまま外出して締め出されてえのか。

あのね、あなた根本的なところがわかってないから言っておくけどねえ、よく贈り物は気持ちが大事だとかなんだとか言うわよねえ、ええ、ええ、それはそれはとっても素敵な話だと思うのよねー。

だけどねお兄さん、アタシはそういうお兄さんのピュアなところは好きなんだけど、伝わらないんだよ。

まったく伝わらないんだよ、てめーのその自己満足のカタマリみてーなもんをポイと渡されてもよ。

それよりもね、もっと表面的なことにこだわったほうがいいのよ、うふふふ。

ちょっと街で流行っていると噂のアレとか、なんだかよくわかんねーアーティストとコラボしたっぽい見た目はずいぶんシャレオツなアレとか、そういうほうがおすすめなの。


なによ、そんなチャラチャラしたのはオレの流儀じゃないって、へえー。


あーいるいる、そういう男。

もーそういう変な思い込みとかこだわりとかを捨てるところから始めなきゃだめよ、あなたちゃんとアタシにふさわしい男になってくれないと、誰がおっさんだ、てめえ会社でひとりぼっちで残業してる時に後ろから警備員に突然声かけられてちびりてえのか。

あのね、よく考えてみなさいよ、あなた、向こうは義理チョコをくれたのよ、義理チョコを。

お兄さん、義理に対しては何を返せばいいのか考えてみたことがあるの、人情じゃねえよ、てめーそこが間違ってんだよ。


義理に対しては義理をって、あんた歴史の時間に習ったでしょうが、授業中に居眠りばっかりしてるんじゃねーぞ。

だったらあなたの義理を返しなさい、人情じゃねえって何回言ったらわかるんだ、話聞かねえ男はモテねーぞ。


でね、あなた、あなたができる義理ってのはね、冒険することじゃないのよ、ベタに行きなさい、ベタに。

これは女子から人気があるんだとか、今トレンドなんだとか、なんだかよくわからないがとりあえず行列作ってるお店のやつだとか、そういうところから始めなさいよ、固くいきなさい、固く。

わかる?あなたが彼女に渡すのは義理チョコのお返しなのよ、義理チョコ。

うーんとりあえずいつもお世話になってるし、あの人にもいちおう渡しておこうかっていうチョコに対するお返しなのよ、何てめえ自分が本命気取りでいるんだよ勘違いもはなはだしいんだよ。

だったらあなた、徹底的にモブキャラ演じなさいよ、モブキャラとして今流行ってるスイーツとかド定番のなにがしとかそういうお返しで、彼女の背景となって、キラキラと輝かせてあげなさいよ。

そうやって他の人をキラキラさせてあげられるモブキャラを演じられるくらいしっかり腕を上げてこそ、あなたもアタシにふさわしい男に近づけるってもんよ。

わかったらさあ今から急いで買いに行くわよ、アタシとデートできるだなんて光栄でしょって、誰がおっさんだ、てめえ必死に徹夜して作業を間に合わせてちょっとだけ仮眠とったつもりがプレゼンに寝坊したみたいな夢を何度も何度も繰り返し見てうなされてえのか。


いいからさっさと出発しやがれってんだ。

義理チョコをくれたあなたにこれだけは伝えておきたい




さてこんなおっさんでも義理チョコをいくつかいただきまして。


おまけにその大切な大切なチョコレートの1つが、完全に競合メーカーさんが義理だの人情だのと仁義なきプロモーションされているアレでして。

ちぇっ何簡単にマーケティングされて認知関心理解購入喚起決断購入その後シェアしてんだよとか思いながら、もうデレデレしながら両手で受け取りましたね。


そんなあなたやそのご家族や本命の恋人やその元カノとかまあ色んな人に、これだけは言っておきたいんだけど。


もう返さねえぞって。


あなたがさっさとノルマをクリアしなきゃ感をなるべく表に出さないように努力してなんとか整えた笑顔と一緒に渡してくれたこの義理チョコ、もう絶対返さねえからなって、そう言いたい。


なんならもう食べちゃったもんね。


こう、1つ1つ大事にお口の中に入れますと、まあ鼻の穴の出口あたりまでいっぱいにふわ~っとカカオなりカカオマスなりのリッチな香りが広がって、これまあ幸せな気持ちになっちゃったんだもんね。

幸せとかそうじゃないとか簡単に口に出すんじゃねえって、そういつも自分に言い聞かせているのなんか、すっかり忘れてたもんね。


まあ、こちらも決して血も涙もないわけではございません。


来月の中ごろに何かの機会があればミニオッパイキャンデーあたりをお渡しすることもあるかもしれません。

しかしそれはあなたがくれたチョコレートそのものではございません、もうそれは食べちゃいましたので返せません、いえ、毛頭返すつもりは始めっからありませんでした。


ですから、あの義理チョコと一緒に僕にくださった、あの「ま、こいつにも渡しておいてやるか」というお気持ちそのものも、毛頭返すつもりはございません。


返しませんっ。


これはボクのものなんですっ。


あなたがほんのちょっとだけバレンタインデーのために内部留保していたこの優しい気持ちを、ボクはもう絶対に返さないんだっ。


絶対にっっっ。


これはボクだけのものなんだっっっ。





ボ!ク!だ!け!の!

なぜ義理チョコはこの世にあるのか?




人間、何が一番悲しい気持ちになるかって、自分以外の誰かと誰かが幸せそうにしている時なんだよね。


そりゃ自分もそれなりに満たされている時はそうじゃないですよ、だけどだいたいの場合、ああみんな楽しそうだなあって感じる時ってのは自分にはあんまし余裕がなかったり孤独だなあって思ってる時が多くて、そういう時に隣で楽しそうに笑いさざめいている光景を見るとただうらやましいとかそういうのを越えて、自分だけがはじきとばされてるって強~く感じるんだよね。

バレンタインデーだって、それ自体は全然嫌いじゃなくって、なんか相手に掛け値なしに好意を伝えられる素敵な機会だよねってすげー上から目線で思うんですけど、いざ自分の周りでキャッキャウフフされるとあーなんかこれオレだけ完全に邪魔者だし消えたほうがいいよね、いやむしろ今すぐ消えちゃいたいってなっちゃう。


だからね。


義理チョコってのはあったほうがいいと思うんだよね。


むしろ、この世のチョコは全て義理チョコにしてしまえとか思いかけていやそれじゃ色んな大人の事情も含めてまずいなと思い直してるような状態で。

だってさ、まあそりゃ誰かは誰かに本命チョコを渡してるかもしれないけど、別に正直あの人が誰に本命チョコ渡すかとかどうでもよくて、いやどうでもよくない時もあるけど、問題はあの人なり色んな人がチョコレートをプレゼントしたりされたりしてる楽しそうな領域にボクだってワシだって拙者であっても混ぜてもらえるかどうかってとこがほんとしょ~~じきな感想としてあります。

だからね、おっさん、義理チョコもらった時に、そりゃもう表面上は夏休み明けに全員に配ってる手土産受け取るような態度で反応しますけど、心の中では超テンション上がってる、マジで上がってる。

たとえその日一日にもらったチョコがすべて義理であっても、それを全部持って帰ってせめてその日は美少女フィギュアとかもちょっと位置をあっちにずらして、戦利品たる義理チョコたちを机の上にキレイに並べて観賞しておきたいんです、もうそれだけでいいんです。


あのね。


もうさ、こっちはたいがいおっさんだから別に自分のことだけ好きになれとかオレのことだけ見てろとかそんなこと言いませんし思っていても決して口には出しませんけど、とにかく多くの人がバレンタインデーだといったん合意しているその特別な日に義理だろうが何だろうが何かをいただけるだけで、心の奥のカサカサした部分が若干しっとりするのであります。

このなんだかよくわからない人生というお祭りに、さてこれからもわっしょいわっしょいと参加していくとしますかね、って気持ちになるわけであります。


そんなわけで義理チョコにはあのチョコよりも、セコイヤチョコレート

未熟なことこそ素晴らしい。







未熟な人を見てると、ついイーッ!ってなって間違いを指摘したり、訂正させたりしたくなる。


もうどうやったらそんな甘い考え方ができるのーッ!

それにその言葉づかいは何なのーッ!

っていうかその存在自体が何なのーッ!


キーッ!ってなっちゃう自分を止めるのとっても大変。


で、めんどくさいからついつい自分で全部やっちゃったり、あと本人の前で注意するのかっこわるいからって陰口叩いちゃったり、やっぱり思いなおして、本人に直接指導をしようと意気込んでたら、なんすか何今頃言ってるんすかってバカにした目で見られちゃってこっちが変に委縮しちゃったり、もう大変ったら大変ですよ。


でもね。


よく考えたら、とある方面について未熟な人っていうのは、これからググッと成長することができる余地が残っているわけで、それって自分には二度と戻ることができないキラキラした地平なんだよね。

そこにこれから立ち向かおうとしている人に出会った時、僕にできることって、まずは祝福することだよね。

ああ、あなたはこれからたっぷりと伸びしろが残っているんですね、ガンガン戦っていっぱいレベルを上げていくことができるんですね、すばらしい、とにもかくにも、それだけで無条件にすばらしい。


なんかね。


それは別に若い人だけじゃなくて、これから新しいことに挑戦しようとしている人や、挑戦せざるをえない人や、その中間くらいの人々についても一緒だと思うの。

歳を取るとそれはもう中途半端に周りの目とかしょうもない体面とかくっだらない権力とかを気にして、自分が未熟であることを隠そう隠そうとしてしまうわけですが、仕方ないよ。

だってだって誰だって、やったことのない分野に関しては未熟なわけで、失敗もするし、理解に時間もかかりますよ。

でもね、隠そうとしたって無理だよ、わかんないことはわかんない、できないことはできない。

それでもなんとかできるように努力するのはなかなかかっこいいと思う。

で、もしそれでも自分には無理だって思ったら、やっぱりできる人にお願いするしかないよね。


あのね。


そういう時は、ちゃんと頭下げるなり、その人に敬意を払うなり、そこんとこ本気でやりたいよね。

すげーかっこいいお辞儀できるようになりたいよね。

世の中にはお辞儀と真逆の方向に頭を動かして、偉そうにすることが正しいと思っている人いるみたいだけど、それ完全に逆だよね、かわいそうだけど。


だからね。


誰だって何かについては未熟なわけで、しかしそこからキラキラと輝いていける余地を残していることはもうどう考えたって無条件に素晴らしいことで、っていうかそもそも企画考えたりアイデア思いついたりするあたりでは未熟どころか十分に成熟しきっている若い学生さんたちとコラボレーションしたセコイヤチョコレートの新商品がフルタ製菓にもありますんで、とりあえず買ってください。

http://www.furuta.co.jp/cyuumoku/201312sequoia.html

残念ながら世の中はシンプルにできていない






ちょっと言いたいことがあるんだけど、いいかな。



新しいTVCMのオンエアも今月で終わるので。


今回のCMでイケダハヤトさんに出演してもらった経緯は色々あるんだけど、初めはとりあえず話題になりゃいいや、っていう乱暴な要素があったのは否定できない。

予算は限られているし(セコイヤなんて単価30円だぜ?)、効果効率ばかり言われているこのご時世、コストを抑えて目的が達成できればそりゃどの企業だってうれしいだろう。

実際にイケダさんとコンタクト取って用件を伝えたら、彼はすごく面白がってくれて、自分のしたことのない経験ができるなら楽しそうだって、必要経費程度の謝礼だけで喜んで引き受けてくれた。

こっちはそれなりにダークな世界も見てきている汚れたおっさんなので、ほほう、こやつ、一体どこまで本気なのかわからんが、そこまで言うならお手並み拝見だぜって、ひねくれまくった気持ちでいたのを告白せねばならぬ。

ノマドとか社畜とか言ってるけど、ほんとはあんたこそ、社会にこん畜生ってばっかり言ってるだけの、本当の社畜じゃねえのかって、どこまでやれるのか見せてもらおうじゃねえかって、ドロドロした気持ちで様子をうかがっていたことを白状せねばならぬ。


まあその結果として、以前に書いたように、すごくいいTVCMができてしまって、残念でならん。

結果的に、イケダハヤトの単なるファンになってしまった自分も、残念でならぬ。


あのね。


イケダさんはなんだかすごくお忙しそうだったので、撮影が終わったらすぐに東京に帰ってしまわれたのだけど、最寄駅へ送るまでの車中でちょっとお話しさせてもらって、実に気持ちのいい人だなあって上から目線で思った。

控室で待っているあいだも、ずーっと何やらパソコンに向かって仕事してるし、車中でも今自分の関心のある世の中の出来事やブログに対する熱い思いを語ってくれて、短い時間だけど、おっさんもすごく楽しかった。

社畜だなんだとか言っているけどさ、この人、普通のサラリーマンよりもずっと仕事熱心だし、

何よりも。

希望を抱いているよ。


希望。


こんな世界に誰がした的なブルースをブログで重ねてるくせに、すっごく、この世界に希望を抱いている。

自分の仕事について語っている時に、すっごく瞳がキラキラ輝いている。


メガネかけてるから、わかんなかったけど。



あのさ。


非常に残念だけど、この世界は誰が悪で誰が善だとかわかりやすい構造になっていないので、マスメディアへの抵抗として生まれたかもしれないインターネット文化の申し子をまた一企業がマーケティング手段として取り込んでいって、それがまたインターネットに取り込まれるみたいなすげー複雑にこんがらがった状況になっていて、もう正直わけがわからない。


だけどさ。


希望、っていうやつは、そりゃまあ色んな悪さをする面倒なやつではあるんだけど、やっぱり誰かをワクワクさせる力をもっているし、いっちょやったるか!って、そういう勇気を与えてくれる、まあ罪作りな存在なんだよね。

そんな厄介なエネルギーをメガネの奥で煮えたぎらせている若い人がいるってのは、ほんとにドキドキしたし、なんか、うれしかった。

よし、おっさんも、負けてられないぞって。

最近小さい字が見にくくなってきた目を、それなりにキラキラさせる努力してる。


まあこっちもメガネかけてるから、わからないだろうけど。


で、結局何が言いたいかというと。





ノマドも、社畜も。

 

生クリームチョコ。


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だいたいのイベントは誰かの陰謀






イベントが、大好きです。


最近ではハロウィンの日にゾンビになったお姉さんとかが血だらけのシャツで電車に乗ってきて、お酒の匂いをプンプンとふりまきながら隣のおじさまの肩に寄りかかってみたり、たまにウェーッとかまじゾンビっぽい仕上がりになったりしてるのも、なんか面白い国になってきたなーって感慨深くて、大好きです。

クリスマスが近づいてくると意味もなくレットイットスノウな気分になりますけど大阪はあんまし雪はふらん、ふらんけど営業中に街の色んな飾り見るのが好きで、そりゃまあ大きな商業ビルの立派なツリーも素敵ですし、おうちの玄関周りだけささやかに年季の入ったトナカイとかサンタか泥棒かよくわからぬ何かを飾り付けているのが夜になるとチカチカキラキラとかわいく光るのが、この家の人たちはひょっとすると今晩めちゃめちゃ家族でケンカしたりしているのかもしれぬが、そんなことも人と人が寄り添って生きている暖かさの中の1つのアウトプットなのだろうなーって味わい深くて、大好きです。


イベントなんかなくなっちゃえって思う時、もちろんあります。


自分がすげー余裕なくってもう死にそうな時に、隣でカポーが楽しそうにじゃれあってたり、謎の集団がこっちのテンションなど全く無視するかのように突然フラッシュモブ的な何かをしはじめると、もう悲しみとか怒りとかを通り越して、何この展開、ひょとしては今日はオレ以外の全員が幸せになるっていう逆イベントかよってむしろ納得してしまいそうになる。

オレ以外全員いなくなっちゃえっていうだけならまだしも、オレだけいなくなっちゃえ感が止まらない瞬間があって、そんな時は落ち着いて、どうか落ち着いて、おいしいセコイヤチョコレート、おいしいセコイヤチョコレート、おいしいセコイヤチョコレートって3回唱えれば今自分がやるべきことは最寄のコンビニなりスーパーなりお菓子屋さんでナニをアレすることだと気づくはずです。


あのね。


結局、世の中のイベントの多くはお菓子屋さんなり、おもちゃ屋さんなり、うなぎ屋さんの陰謀なんだと、まあ僕だってお母さんからそう言い聞かされて育ってきましたね、だからうちにはサンタさんは来ないのよって聞かされた時に僕よりもずっと小さかった弟のショックがどれくらいのものだったのかは、正直今さら聞きにくい。

それじゃいつまでもサンタさんがお越しになっているご家庭ってのはみんな各社の陰謀を下支えするべき何らかの理由があるのかというと、それまあ読み物としては面白いかもしれないけどたぶんそうじゃない。


たぶんね。


イベントというものは、普段の色んな関係性が一時的にゲシュタルトなにがしになる、まあまあ貴重な瞬間なんだな。

その日だけは部長がヒヨコの着ぐるみをかぶって新地のお姉さんとレットイットスノウを歌っていてもいいわけで、できれば世の中というのは普段自分が思った通りの姿のままでいてほしいと願う人にはもう目も当てられない光景かもしれないけど、僕は比較的そういうのをウキウキした気分で眺めていたかったりするんです。


足りないんだと思う。


年に数回程度のイベントじゃあ、人間の心なんかすぐに平常運転に戻っちゃうのでまだそういう光景っていうのが気持ち悪ッッてなっちゃう。

もっと色んなイベントが増えていって、あれ今日って例の日だっけ、いやどうだったかな、まあいいやヒヨコ着ちゃえって、思いっきり何にもない日にヒヨコ出勤しちゃって、やっべーって思ったのは部長自身だけで、周りはあらら部長今日はその日じゃないですよ、もうそそっかしいんだから~、でもそんな部長ってちょっとかわいいかも、部長がお父さんだったらよかったのに、オレが?そんなバカな、てへぺろっていう毎日が来るといいんだと思います。

イベントが起こるたびに、これまでとは違った部分と部分が触れ合って、つながりにくかった場所へも飛んでいくことができて、あなたと私が思っていたよりも似ていることや、違っていることや、実はお互いに好意を持っていたことが、少しずつ明らかになっていって。

そしてまたクソつまんねー日常が戻ってきたとしても、またいつかあなたとは巡り合える気するからちょっとくらいは気合い入れて頑張ってみるかと自分のペースで歩き始める。


その程度にはイベントは増えていいのになと思うのであります。



まあそうなるにはちょっとだけ時間がかかる可能性があるので、それまでは間違ってヒヨコ出勤しちゃった方は、大人のほろにがさがたまらない生クリームチョコプレミアムをお召し上がりになって、少々お待ちくださいね。



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